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映画「ぐるりのこと。」の魅力
「お、動いた!」
小さくふくらんだお腹に手を当て、翔子(木村多江)は夫のカナオ(リリー・フランキー)とともに、子を身籠った幸せを噛みしめていた。しかし、そんなどこにでもいるふたりを突如として襲う悲劇──初めての子供の死をきっかけに、翔子(木村多江)は精神の均衡を少しずつ崩していく。
うつになっていく翔子(木村多江)と、彼女を全身で受け止めようとするカナオ(リリー・フランキー)。困難に直面しながら、一つずつ一緒に乗り越えていくふたりの10年にわたる軌跡を橋口亮輔監督が感動的に描きだすストーリー。
主人公のカナオ(リリー・フランキー)の事件を客観的に写しとる法廷画家という職人の視点と、鬱(うつ)病の妻(木村多江)を支える夫の視点。映画「ぐるりのこと。」は2つの視点を絡め社会の闇を浮き彫りにしながら、人の生き方を私たちに問いかけているかのようだ。
6年ぶりの橋口の監督作品となる「ぐるりのこと。」橋口はこの6年間をこう振りかえる。「鬱病や訴訟問題に巻き込まれた私自身の辛い経験がこの作品に結実したと思う。6年は無駄ではなかった」。
映画「ぐるりのこと。」のキャストで異色なのは、主人公カナオにイラストレーターのリリーを指名したこと。橋口はこにお映画を撮るにあたって、「以前、一緒に仕事をした経験と彼の小説『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』を読んで、この人しかいないと思った」と語っている。妻役木村にしても彼女のスケジュールに合わせるために2ヶ月撮影を遅らせている。
自分の納得いく役者を使う。監督の才能と執念がなければできないことだろう。
キャスト
SIGLO(シグロ)について
映画「ぐるりのこと。」の製作会社シグロSIGLOは社会性の高い作品、ドキュメンタリーを製作、配給している映画会社だ。
最近ではアカデミー賞ドキュメンタリー映画賞に輝いたスティーブン・オカザキ監督が25年かけて完成させたドキュメンタリー「ヒロシマナガサキ」をリリースしている。
そしてなんといってもすべての年代の人に見て欲しいのが「映画 日本国憲法」だ。私たちが日ごろ見落としてしまっている第九条の大切さを、外からの視点で教えてくれる。
法廷画家
撮影禁止の法廷内において被告人の様子をスケッチするのが「法廷画家」。現在活躍する法廷画家で最初の仕事が「和歌山カレー事件」という画家もいる。彼が法廷画にかけられる時間はたった1時間だ。
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